表「第一形式と第二形式の道具の数」第一形式第二形式比較 形式別 墨掛道具定規類 494522並に鋸鉋錐槌計6932のみ玄能釘抜毛引まさかり雑道具釘締ちょうな大工道具の標準編成(竹中大工道具館の展示)126 その51 大工道具の標準編成と 基市作里鉋の話 最近、建て売り住宅の現場で働く大工の道具箱(プラスチック製)を見たが手道具は少なく、ほとんどが電動工具を使っている。「他の手道具はどうした」と言ったら「必要ないので御蔵入だ」と言う。また、俗屋大工の道具箱(在来の木製)も見たが以前より手道具は少なく、ここでも電動工具が巾を利かせている。 楽で早く正確に切断できる電動丸鋸などは義理人情などなく指を切断した大工が大勢いる。昔の大工は釿で足を切る程度であった。昔はこれを「釿を穿く」と呼んだ。そして「怪我と弁当は自分もち」であるとも言った。 神戸の竹中大工道具館の常設展でかつて、一人前の大工が使っていた大工道具一式179点を集め展示している。この展示は、労働科学研究所が昭和18年に東京土木建築工業組合の委託を受けて行った、『我が国大工の工作技術に関する研究』(昭和24年12月)がベースになっている。報告書の主たる執筆者は黒川一夫氏で、戦前の大工道具や工作技術を知る上で大変役立つ貴重なものである。 「第二章 道具について」では、大工が使用している道具の一覧をかかげ、個々の道具について説明している。道具は第一形式と第二形式に分類され、第一形式とは必要にして充分なる条件を具える編成形式を示したものであり、第二形式とはどんな安普請をするにしても必ず具えなければならないもので、言わば必要にして最低限の編成形式を示したものと説明しているが、わかりやすく説明すると第一形式の道具は上普請の折に使用する道具で、第二形式の道具は安普請や古(一)墨掛道具並定規類(1)墨壷 中型の一般墨掛用は約8寸で一般に欅作りと説明しているが、最近の墨壷はプラスチック製が多く、小型の携帯用などは蓋付で墨がこぼれない構造となっている。昔の大工は墨壷を自作して、職人同志で自慢し合っ家の移築や修繕の折に使用する道具である。 第一形式の179点の大工道具の内訳は次の表の通りである。 昔の大工は、これだけの道具を大切に使って家を造っていたのである。そして、すべてが手仕事であった為大変に苦労したことであろう。 記載されている179点の大工道具は現在とはずいぶんと変化しているので、それを比較しながら話を進めて行きたい。1014124014491026121872179
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